Essay 2009

Sweet home
Sweet home

<決心>

 

田舎で暮らそう、この先何が起きるかは分からないけれど、とにかく今は環境を変えていこう。

都会からそれほど離れてもなく、私を知る人もいない所で暮らそう。

山と海が両方あるといいな、ハワイで暮らしていた時のように朝起きたら「今日は何をする?」って過ごしたい。あっちだ、こっちだと走り回るのはもうイヤだ。

そうだ、そうしよう。

田舎でひっそりと暮らしていこう。

その後の事はそれから考えよう。

仕事を止めようと、止めまいと、いずれ自ずと決まってくるものだから、今は少しこの居場所を離れてみよう。そう決めたら心がちょっぴり軽くなった。誰の為でもない自分の人生は永遠には続かない。特に私には毎日が大切・・、毎日が必要だから。

もすぐ除夜の鐘が鳴り、今年も終わってしまう。

新年には生き返りたい。もう一度、笑顔を見せてあげたい。

 

<He'eiaにて>

 

自分の直観を信じて、心の闇を見つめ続けていたら瞬間光が見える時がある。閃光のように帯のように闇を照らす光は再び「生きる」事を決意させる。

ハワイであるヘエイアをお参りして、そこに広がる海と山を見ながら心では異なる風景を見ていた。古代ハワイの風の音が聞こえる。

恐らく私はこの力をほんの少し使うだろう。

このままでは私は死んでしまうから、少しだけ前向きになる為に授かったものを使わせてもらおう。

 

O ka Maluhia no me 'oe Ku'u Maluhia a pau loa

(汝に平穏を、我に大いなる平穏を)

ーPHP研究所 出版 ハワイの秘法より 抜粋 

 

この日、ヘエイア跡に立ちつくし何時間も泣き続けた・・。こんなにたくさんの涙を私は何年も、何年もこらえてきた。いつも心の闇を見つめながら。

フラを教え続ける事は、こんなにも辛く、苦しい、孤独な作業だ。

けれど選ばれたのなら続けていくしかない。涙はいくら流してもかまわないだろう。もう強がる事も、バリアを高く張る事も必要ではない。

素直に身の回りの出来事を受け入れていこう。

闇の中に一瞬きらめく光だけを求めていこう。

 

<心の闇という地獄>

 

手術をして「もう」と言おうか、「まだ」と言おうか3年たった。

「退院したら仕事をすこ~しセーブして、もっとのんびりしよう」と考えていたのに、現実はその逆で信頼していたアシスタントが突然辞めたり、折からの「タヒチアンダンス」ブームでレッスン講座は増えていくしで相変わらず忙しい日が続く。しかも、来年は又スクールの発表会がある。すでに場所も決めて会場費も前払いしてある。

そして12月には恒例のクリスマスパーティー・・、いったいいつになったら私のこの生活が終わるのか・・。最近、「やめたい、やめたい」と考え込むようになり、精神的にもおかしい。

小さいころからたまにこんな時があった。なにもかもイヤで何もしたくない。

おそらく言葉にはしないけれど病気への不安がある。「再発」とか、「転移」とかそういった言語が頭の中を通り過ぎていく。このままでは私はダメになるね。

生活を変えなくちゃ・・

仕事を止めなくちゃ・・

そんな事ばかり考える。

 

<ハワイで思った事>

 

2月の後半、2週間程ハワイに滞在していました。相変わらず朝晩は冷え込み、夜の冷たい雨にはがっかりさせられましたけど、やはりハワイはNice&Coolな所です。
今回は始めての試みでHula以外にBalletとYogaのスクールに行ってみました。それぞれあまり目立たない辺鄙な町にありますが、バスに乗って住所を頼りにスタジオを探しながら歩くのも楽しかったです。
感想→HulaもBalletもYogaも共通点がありました。それはどの分野の習い事も誰にも<詮索>されない、<自由に>、<自分の思うように>体を動かせるというところです。そしてクラスのメンバーとまったく同じ動きをしなくてもOKというところです。ある程度のレベル分けはしてあるけれど、それでも個人差はあるし、その人の得意、不得意は違うので負担にならずに思う存分レッスンができます。この共通点の発見は自分の教えているフラクラスに応用ができそうな気がして勉強になりました。教師たるもの、こうでなくちゃ・・なんてね。ただフラの場合何かのパフォーマンスの時にバラバラではマズイのでステージの際にはきっちり揃えていかなければならないけれど、普段のレッスンではもう少し個人の感じるままの動きを見てあげてもいいのかもしれません。自分の事を考えてみてもあまり先生にワーワー言われると余計に萎縮して思うように踊れないという事もあるしね、ほどほどに見つめていこうかななんて思います。ただ習っている人達の態度や考え方は日本人とまるで違うんだな・・、みんな良く質問するし、自分の体の事を良く知っているのです。だから「今先生はこう言ったけど、私は体をこう動かすとこうなってしまうので先生の求めているようにはできませんが、どうしたらいいですか?」みたいな話し合いっぽい時間がたくさんあるのです。日本の生徒さん達のようにできない時に「ハイ」とか返事だけして何でできないかを追求しないし、質問もしない・・というのではないですね。どんな舞踊や習い事もまず「己を知る」ことから始まるのかもしれません。自分の体の長所、短所や、自分の性格等とにかく自分をもっと知って自分を大切に自分の心と体が喜ぶようなお稽古事を続けていきたいですね。私もあきらめないでもう少し「心と体のリハビリ」を続けてみます。

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Copy light by Kukunaokala Hula School
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