Essay 2002

今度のハワイ滞在で考えた事 <2002・7・23>

短い滞在でしたが昨日帰国しました。日本とハワイでは気温はそれほど変わらないのに、ハワイは朝晩涼しく、昼間も風が爽やかなので少しも暑さを感じませんでした。それに比べて日本はなんて不愉快な暑さでしょう。成田空港の外へ出た時あまりの蒸し暑さにびっくりしました。こんな暑さが続いていたそうですね。

さて今回の1番の思い出は1日ずっとマカハにいてPat先生と過ごした事です。マカハは相変わらず静かで海はコバルトブルーに輝き、空は真っ青に澄んでいました。先生はここ数年、会う度に痩せて小さくなってます。どこか体でも悪いのかととても心配です。(本人はいたって健康だと言ってますが)痩せると同時に昔のような気迫が無くなり、声も小さくなりました。生徒達にレッスンをつける時もやさしくて、厳しかった頃のレッスンを思うと気持ちが悪いようでした。久しぶりに私達は色々な事を話し合いましたが、やはり前と違って「あなたのいいように・・」というような事を言うのです。前は何を言っても聞き入れず先生の言うとおりにしなければすごく怒られたものですが。先生は「あなたはもう何でも一人でできる」とか、「あなたはクムなんだから」と言います。私は確かに日本でフラスタジオを持ち、生徒もたくさんいます。けれど今でも私はPat先生の生徒で教えてもらう事が山ほどあるのに・・さみしい気持ちはありますが、彼女の言葉の中に「一人になってもやっていけるように・・」という意図が感じられるので私は反論はしませんでした。
小さな変な日本の女の子が20年たってクムフラになった・・・先生は私よりもずっと寂しいに違いないと思うのです。帰りぎわに小さくなった細い肩を抱きしめた時、私は悲しくて悲しくて涙が出ました。先生も泣いてました。どんなに私にそばにいて欲しいと願っている事でしょう。私が一緒にマカハにいてスタジオを継いで欲しいと思っている事でしょう。けれどそれは出来ないし、今は約束もできないのです。いつか先生の願いを叶えてあげたいとは思いますが・・・。この次会える時までどうかお元気でと祈るようにマカハを後にしました。外は真っ暗で風と波の音しか聞こえてませんでした。マカハの先生のお宅にステイしていた頃、いつもこの風と波の音を聞いて眠ったものです。


次の日はカネオヘのアル先生を訪ねました。アルの所でカルアピッグを作るので見に行ったのです。私は何かパーティでもあるのかなぁと思っていましたが、そうではなくて今度スタジオの子達とタヒチへ行くのでカルアピッグを作り、売ってお金を作るのだそうです。そういえば、マカハのプアイモハラフラスタジオでもウニキの時にみんなでソーセージやパンを作り売りに行ってコンサートの費用を作りました。カネオヘのスタジオに着いた時は大きな穴に石を詰めているところでした。ブタを丸焼きにするのは石に火をつけて石が熱くなってからだそうです。私も小さな石を運んで少しだけ手伝いました。(じゃまをしたのかな?)

アルは私のクムではありませんが、Pat先生とは異質なHULA、歴史、古典などのストーリーをいつも教えてくれます。アルは誰にでも自分の持っている全ての知識を惜しみなく分け与える事が使命だと考えています。特に男の子へのフラ指導はすばらしく、スタジオにはたくさんのカーネフラダンサーがいます。みんなイヤな顔もせずアルのお手伝いをしていました。Pat先生の所もそうですが、生徒達はクムを信頼し、尊敬して何でもシェアしあっているのです。クムは自分の持てる全ての知識と力と愛を与え、生徒達はそれに答えるべく手伝い、教わり、後世に伝えていくのです。そしてもし誰かがその場を去ってもクムは何も言わず、残った生徒達と分かち合い、永遠に「伝える」という行為を続けます。なんて悲しい、難しい行為でしょう。私は2人のクムに共通のものを感じました。そして今私が生徒達と分かち合える事は何なのか、私にそれができるのだろうかを考えています。日本とハワイのフラの流れの違いの中で私には何ができるのでしょう・・。
Pat先生が私を一人立ちさせようと考えている理由がぼんやりとわかった今回のハワイでした。


発表会を終えて・・・<2002・6・2>

早いもので発表会が終わって2週間が過ぎました。今回の発表会はスタジオにとって今までで1番の出演者の多さでその準備は大変でした。5月の連休の間もあれやこれや無事にその日が過ごせるように、楽屋割りやらタイムスケジュールやら頭の中がごちゃごちゃ状態。私が1番心配したのは頼んである衣装が間にあうのかという事と、楽屋の使い方でした。衣装の方は今年1月からどんどんオーダーしていきましたが、ギリギリまで気を揉んだクラスが2,3あり、しかも生地が足りないとか、求める色が無いとかでストレスはたまりっぱなしの数ヶ月を過ごしました。楽屋の方は優秀なスタッフが細かく時間を区切りまとめてくれたので何とかなりましたが、それでも生徒さんには迷惑をかけたと思います。なにしろ300人がいっぺんに入れる楽屋を持つホールなんてめったには無いでしょうし。
当日は数日前から風邪をひいていて咳が止まらずとてもつらかったです。(未だに咳は出続け状態)ただ熱がなかったのが幸いでした。カヒコでは何が何でも歌わねばならず<咳込んだらどうしよう・・>と心配でした。本番は気合いで咳は出なかったのですが、ステージの細かいチリが鼻に入りくしゃみが出そうになりました。多分誰も気づかなかったとは思うけれどずっと鼻がムズムズしていたのでした。ちょうどイプヘケからパフドラムに移動する時、我慢ができなくて立ち上がりながら鼻に手をやっているのがビデオにはっきり写ってました。(ビデオを見た方確認できました?)
それはともかくとして、今回の皆さんの踊りは各クラス共とても良かったですよ。2部、3部とも色々構成をしたせいかお客様も楽しまれたようです。初舞台のクラスの方々も良く頑張りました。2年前にも出演したクラスは誰が見てもレベルアップしています。3部のスタジオ生の踊りも2年前よりずっと良かったです。お客様に褒められた事の中で<各グループの衣装がステキ>という言葉もたくさん頂きました。全体を通して<大成功>だったのではないでしょうか?(ただひとつ、前に掲示板にも書いた生徒の席でのゴミちらかし放題事件以外は)最もこれは人間のマナーの問題なのでここでとやかく言っても無駄ですね。今後の各自の精神的成長を期待します。
私は今回の発表会で特に感じた事があります。それは私の想い以上にほとんどのクラスが仲良くレッスンに励み、本番で一生懸命踊ってくれた事です。ビデオで見てもそれがはっきり分かります。みんなこの数ヶ月、ご苦労様でした。そしてありがとう。私は皆さんにフラを教える事ができてこんなに幸せに思った事はありません。これからもたくさんのイベントやステージで踊ってもらう機会を作っていきますが、どうか<何かに向かってチームで一体になる>という事を忘れないで下さい。1人1人の心がバラバラでは決して<いい踊り>は踊れません。フラはその人の心、生活環境を全て見せてしまいます。常に<平常心と和>を持って下さい。そうすればもっともっと貴女方のフラは上達するでしょう。今週から又通常にお稽古が始まりますが、振り出しに戻った気持ちで頑張りましょうね。まずは無事に終わって良かった!

 2002・2・3(雨の日曜日)
   

冬休みが終わり、ハワイから帰国してから初めてのお休みです。ちょうどいい具合に雨が降り、どこへも外出しないですむ日曜日はとっても幸せ・・・

しばらく更新しなかったのでリンクの張り方を忘れてしまいました。(笑)みんなが楽しみに待っていると思うと「更新しなくちゃ」って気が急くけど、なかなか仕事の合間にはかどらなくてごめんなさい。
今私の頭の中はかなり<混雑>しています。3月のコンサートや5月の発表会の準備等々バクハツ寸前!お稽古中に訳のわからない事言っても許してね。そして「変」な時は「変」って指摘してくれていいですよ。
すごくおもしろい話があります。自分では気づかないのだけど、先週(又は前回)習った振りと、今週(又は今回)復習した時の私の踊りが違うというのです。たとえば左手が上の<場所>だったのに右手が上になっているとか・・・手の平が上だったのに下になってるとか。それでも生徒さん達は「ああ、今週はこうなんだな」って黙って踊っているというのです。私はその話をアラカイから聞き、大笑いしてしまいました。もう何年も私に師事しているアラカイ達は「今日は先生のフィーリングがこうなんだ」と考え何も言わないとの事です。生徒たちもその時は何も言わず、次のレッスンの時にアラカイ達に確認するらしいです。みなさん、そういう経験ってありますか?これからはその時に言ってくれていいですよ。ただ、意図的に振りを変える時は確かにあるのです。そのクラスのレベルや、ステージ向きの構成を考える時は振りが変わったりしますのでそのつもりでいて下さい。

さて、どうして私の右手が上だったり下になったりするかという弁解をします。私は振りを覚えないのです。その曲の歌詞と、物語だけで踊ります。ですから、便宜上<右手が上の場所>と振付けますが、自分が踊る時は気分次第なのです。だから私がステージで踊っている振りはいつも違うでしょ?ステップも体の動き次第なので決めてません。皆さんに教える時はちゃんと決めて教えていますが、1週間たつと忘れてしまうのです。曲を忘れるのではなく、皆さんにどう教えたのかを忘れてしまうのです。それでよくアシスタントや皆さんに「どういう振りだった?」って聞いてる訳です。分かってもらえました?あとは同じ曲なのにクラスによって振り付けやステップが違いますよね、それも教えるその時の自分のフィーリングと、そのグループのフィーリングがそれぞれみんな違うからです。それにどんどん自分の曲のイメージが膨らむ場合、かなり違った振り付けになります。(これは後々合同で踊らせる時に苦労するので極力控えようとは思ってるけど・・・)。
ついでに書きますが、「いったい何曲覚えているのですか?」って聞かれる時があるけれど、私は歌詞さえ覚えていれば何万曲でも踊れます。ただし、みなさんにどう振付けたかはすぐ忘れます。ですから、これからはもし前と振りが違っていたら遠慮なくご指摘下さいませ。忘れていても「ああ、そうだった」と素直に聞きますから。

発表会の準備はボツボツ煮詰まりつつあります。なにしろクラスが年々増えているので、早め早めにやっていかないと間に合わなくなるという強迫観念に追いかけられ、かなり疲労度が増しています。体より頭の方が疲れてるかなぁ。だからお稽古中、「変」な事になっていてもやさしく見守って下さいまし。なんだか今回は<言い訳>と<お願い>のテーマでしたね。

皆さん、風邪などひかないように気をつけて・・・5月はすぐやって来ますよ~。
3月のコンサートに来て下さる予定の方々、MAHALOです。24日のチケットの売れ行きが悪いのでまだどちらを見ようかと思案中の方、よろしくお願いします。

 

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Copy light by Kukunaokala Hula School
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